- 大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)とは
- 病変の観察と組織採取可能な唯一の検査
- 苦痛の少ない内視鏡検査への取り組み
- 当院の大腸内視鏡検査の特徴
- 大腸内視鏡と大腸がん
- 大腸ポリープの切除は大腸がんの予防になります
- 便潜血反応だけで安心していると危険です
- 大腸内視鏡検査でわかる疾患
- 検査の流れと費用
大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)とは
大腸内視鏡検査では、大腸の粘膜を直接観察することができ、検査中の組織採取、前がん病変であるポリープの切除という予防的な治療まで行うことが可能です。内視鏡を肛門から挿入して盲腸まで進ませ、後退させながら粘膜を観察していきます。大腸がんや大腸ポリープをはじめ、幅広い大腸疾患の確定診断が可能な検査です。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることが重要な理由とは
大腸内視鏡検査では、大腸がんになる前のポリープの段階で発見し、切除することができます。ですから、定期的に大腸内視鏡検査を受けることは、大腸がんで命を落とす可能性を限りなくゼロに近づけることなのです。食事の欧米化により、日本では大腸がんで亡くなる方が増え続けています。日本人女性で一番多いがんは大腸がんですし、煙草を吸わない男性でも大腸がんが一番多くなっています。大腸内視鏡検査は、がん化する前に大腸の病変を見つけることができる検査なので、定期的に受けることが重要なのです。
病変の観察と組織採取可能な唯一の検査
大腸がんや大腸ポリープは、かなり大きくならないと血便などのわかりやすい自覚症状が現れません。また、大きくなっていても小腸寄りの部分にできていたりすると便が通過する際に出血が起こらない場合があります。こうしたことから、大腸がんはかなり進行するまで自覚症状もなく見逃されてしまうことが多い病気です。大腸内視鏡検査では、大腸粘膜をすみずみまで直接観察できるため、サイズが小さかったり平坦、小腸寄りにできたようながんやポリープなどの病変も発見が可能です。また、検査中にポリープを切除したり、病変の一部を組織採取して確定診断をすることも可能です。
このような症状がある方は大腸内視鏡検査がおすすめ
- 便に血が混じることがある
- 便が赤黒い
- 便が細くなった
- 便秘や下痢を起こしやすい
- 残便感がある
- 排便回数が増えた
- 腹痛やお腹の張りを感じることがある
- 健診などで貧血だと言われた
- 急に体重が減ってきた
- 便潜血検査の陽性を指摘された
- お腹にしこりのようなものがある
- 大腸ポリープや大腸がんの治療経験がある
苦痛の少ない内視鏡検査への取り組み
当院では、内視鏡専門医による苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査を行っています。がんの中でも胃がんと大腸がんは罹患率や死亡率の高い病気ですが、早期発見と適切な治療で完治が可能です。ただし、どちらもかなり進行しないと自覚症状に乏しいため、早期発見のためには定期的な内視鏡検査が不可欠です。当院では、つらいイメージの強い内視鏡検査を楽に受けていただけるよう、苦痛を最小限にする検査手法を取り入れ、経験豊富な内視鏡専門医が最新機器を用いて、なるべく苦痛の少ない検査を行っています。胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査はそれぞれいくつかの手法がありますので、患者様のご希望や体質に合わせて最適な検査方法をご提案し、安心して検査を受けていただけるようにしています。また、患者様がリラックスして検査を受けていただけるよう、院内での過ごし方にもきめ細かく配慮しています。楽な検査であれば、気軽に受けることができます。「これだけ楽に受けられるなら、定期的に受けて健康やクオリティ・オブ・ライフを守りたい」と思っていただける検査を心がけていますので、安心してご相談ください。
当院の大腸内視鏡検査の特徴
特徴1、実績・経験豊富な内視鏡専門医師による検査
当院の院長は日本消化器内視鏡学会専門医の資格を持ち、豊富な実績と確かな技術で安全に検査が受けられます。最新の内視鏡システムを導入して短時間で見落としの無い検査が可能です。内視鏡が苦手な方や不安な方でも安心して検査を受けて頂けます。
特徴2、苦痛の少ない大腸カメラ
大腸カメラは、「苦痛だ」というイメージを持っている患者様も多く、検査を受けるのが嫌になってしまうことも少なくありません。しかし、大腸カメラはがんを予防・発見するために非常に有効です。当院では、患者様が楽に、そして安心して検査を受けることができるように、一人ひとりに適した量の鎮痛剤を使用します。そのため、検査中はうとうとした状態になり、苦痛なく検査を受けることができます。実際に検査を受けられた患者様でも、「ほとんど覚えてない」「思っていたよりも楽だった」という方がたくさんいらっしゃいます。どうしても大腸カメラが苦手だという方は、一度当院にご相談ください。
なお、鎮静剤を使用した検査の場合、ご帰宅の際にお車などの運転をご自分で行うことができません。そのため、ご来院とご帰宅には公共交通機関をご利用されるか、ご家族などの送迎が必要になります。
特徴3、大型ハイビジョン液晶モニターによる診察
当院では、大型ハイビジョン液晶モニターを導入し、ごくわずかな粘膜の色調の変化や凹凸を見逃さない検査を実現しています。以前の医療用液晶は、角度を変えたり、光が当たったり、反射や映り込みなどにより見えにくくなるなどの問題がありましたが、この機器はより詳細な観察が可能であるだけでなく、角度を変えても画質を保つ液晶を使用しています。ご希望があれば、検査中に患者さまにもリアルタイムで画像をご覧いただいています。
特徴4、個室によるプライバシーに配慮した内視鏡前処置室
当院では、男性と女性の個室を別で用意させていただいております。安心して内視鏡検査を受けていただけるようにプライバシーにも配慮しております。
特徴5、二酸化炭素送気装置を使用し、検査後の苦痛を抑えます
当院では、全ての大腸内視鏡検査に二酸化炭素送気装置を使用しています。二酸化炭素は、空気に比べ大腸からの吸収が早いため、検査時に空気を注入する場合と比べ、検査後のお腹の膨満感や不快感を大幅に抑えることができます。
特徴6、痛みや不快感を最小限にする無送気軸保持短縮法
腸を押さない・引き伸ばさない内視鏡の挿入手法です。安全性がより高い手法ですが、高度な技術や豊富な経験が必要です。当院では経験豊富な専門医が検査を行っており、この手法を大腸内視鏡検査の基本にしています。腸に負担をかけることがないよう、内視鏡挿入時には送気によって腸管を膨らませないようにしながら、丁寧に畳み込んで短縮しながらゆっくりと挿入していきます。
無送気軸保持短縮法について
一般的な大腸内視鏡検査では、空気を入れながらスコープを挿入していくループ挿入法を用いています。大腸は固定されていない部分があるため、ループ挿入法でスコープを進ませていく際には、どうしても腸を押す・引き伸ばすことがあり、これが痛みや不快感につながっていました。当院では、空気を入れずに大腸を少しずつ手繰り寄せるようにしながら進ませる無送気軸保持短縮法を用いることで、腸を押したり引き延ばしたりすることなくスコープを挿入しています。これにより、痛みや不快感を最小限に抑えた検査が可能になっています。また、腸が押されたり引き延ばされたりしないため、粘膜を傷付ける心配もありません。そのため、無送気軸保持短縮法は、より安全性の高い手法です。特に癒着などがある場合、ループ挿入法で無理に押し込むと粘膜を傷付けてしまう可能性があり、とても危険です。無送気軸保持短縮法では、こうしたリスクも最小限に抑えることができます。無送気軸保持短縮法は、経験豊富な専門医でなければ習得できない手法です。大腸内視鏡検査を検討される際には、大腸内視鏡検査の検査実績や無送気軸保持短縮法を行っているかどうかを必ずご確認するようおすすめします。特徴7.最新鋭の内視鏡システム「ELUXEO 7000システム」導入
当院で導入している最新鋭の内視鏡システムELUXEO(エルクセオ)7000システム」は、精度の高い内視鏡検査を実現できます。レーザーと複数のLED光源を使い分けることによって、微妙な粘膜表面構造や微細血管などの変化の早期発見も可能です。
特徴8.検査後はリカバリー室でゆっくりお休みいただけます
内視鏡検査を受けられた後は、鎮静剤が体から抜けるまでゆっくりとリカバリー室でお休みください。カーテンで仕切られていますので安心してお休みいただけます。
大腸内視鏡と大腸がん
大腸がんは、日本で増え続けています。食生活や運動、飲酒・喫煙といった生活習慣や加齢が発症に大きくかかわっているとされています。がんによる死亡者数も大腸がんは上位にありますが、早期に発見することでお仕事や生活に支障を与えずに治すことが可能な病気です。さらに、大腸がんのほとんどは大腸ポリープから発生しますので、大腸ポリープの段階で切除することで将来の大腸がん予防にもつながります。大腸がんは自覚症状に乏しく、健康診断での便潜血検査では進行した大腸がんでも陽性にならないケースがあります。そのため、症状が出てから受診した場合、かなり進行していることがよくあります。大腸内視鏡検査は早期の大腸がんを発見できる唯一の検査であり、発見したポリープを検査中に切除することもできます。
大腸がんの予防や治療による完治は、定期的な大腸内視鏡検査で可能になります。当院ではお身体やお気持ちへの負担を最小限に抑え、気軽に受けていただける大腸内視鏡検査を行っています。安心してご相談ください。
大腸ポリープの切除は大腸がんの予防になります
大腸がんは大腸ポリープが成長していく過程で生まれるため、ポリープの段階で切除することが大腸がんの予防になります。大きさや形状にもよりますが、目安として大腸ポリープが10㎜以上に育つ前に切除するのが望ましいとされています。ポリープががん化して何年もの時間を経ると進行大腸がんになり、リンパ節や肝臓などに転移してしまいます。ただし、すでに大腸ポリープががん化していても、早期であれば内視鏡切除で完治することも可能です。
便潜血反応だけで安心していると危険です
便潜血反応はやや進んだ病変を拾い上げる傾向にあり、ポリープや早期がんの時期の病変すべてを見つけることはできません。初期の大腸がんやポリープには自覚症状がないため、ポリープや早期がんを発見できる内視鏡検査がより有用なのです。大腸がんがあったとしても早期の時期で見つけることができれば、内視鏡で治療することが可能であり、開腹手術は必要ありません。便潜血反応に異常がなく、何も症状がない時に検査を受けておくことは、ご自分とご家族の将来を守ることにつながります。40歳を超えたたら一度、大腸内視鏡検査を受け、自分の大腸の状態と、何年か後にがんになる可能性があるポリープの有無を確認しておくことをおすすめします。
大腸内視鏡検査でわかる疾患
大腸内視鏡検査では、大腸がんや大腸ポリープ以外の疾患に関しても的確な診断が可能です。ほとんどの大腸疾患は下痢や便秘、血便など同じような症状を現しますので、粘膜を直接観察できて組織採取も可能な大腸内視鏡検査による確定診断がとても重要です。疾患によっては全く異なる治療法が必要になる場合もありますし、ある疾患には有効な薬剤が他の疾患では悪化につながることもあります。下痢や便秘などの便通異常、血便、腹痛、膨満感などの症状がありましたら、できるだけ早めに専門医を受診しましょう。
炎症性腸疾患
難病指定されている潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病の見極めが重要です。どちらも炎症が起こり、寛解期と再燃期を繰り返します。30歳以下の若い世代にも多く、患者数が増えています。適切な治療を続けることで良い状態を保つことが可能ですから、専門医による診断と治療が不可欠です。
大腸憩室
大腸憩室は大腸の組織が袋状になっている状態です。憩室自体は特に問題がありませんが、便の通過に支障が起きたり、炎症を起こすことがありますので注意が必要です。
大腸ポリープ
ほとんどが良性ですが、放置していると大腸がんになる可能性があります。内視鏡検査の際に発見された大腸ポリープはその場で切除が可能です。大腸ポリープの切除により、大腸がん予防につながります。
細菌性腸炎
細菌性腸炎のおもな病原菌は、アメーバ赤痢・カンピロバクター・サルモネラ・黄色ブドウ球菌・腸炎ビブリオなどの細菌です。調理過程で加熱が不十分だったりすると、食品が病原菌に侵されてしまう恐れがあります。食事などを介して病原菌が体内に入ると腸管に炎症が広がり、発熱や下痢、嘔吐、悪心、腹痛などの症状が現れます。症状が悪化すると、脱水症状を引き起こす可能性もあります。細菌性腸炎に感染した人の嘔吐物や下痢に接触すると、感染してしまう可能性があり注意が必要です。
検査の流れと費用
検査の流れ
Step1検査前
検査前日の昼食と夕食は、大腸検査用の食事(クリアスルーJB)をとっていただきます。
前日の夜21:00に下剤を服用していただきます。
Step2検査当日
前処置として検査4時間前から2リットルほどの下剤を服用していただき、腸内の糞便を出して、検査となります。
※前処置は自宅で行うこともクリニックで行うことも可能です。
受付後、更衣室で検査着にお着替えいただいたら検査準備完了です。
検査直前に鎮静剤と腸の緊張をとる薬を注射します。高齢の方は脱水予防の点滴をします。
Step3検査中
肛門から内視鏡を挿入して、盲腸までの大腸と小腸の一部を直接観察します。
検査は15~20分程度です(個人差があります)。
もし病変が見つかれば、必要に応じて組織を採取する生検を行います。ポリープが見つかった場合、その場で切除することもあります。その場合、検査時間が少し長くなります。
検査終了後は、30~60分程度、ゆっくりお安みいただきます。鎮静剤の効果がなくなったら、全身の状態を確認した後でお着替えしていただきます。
料金表(初診時の費用は別)
1割負担 | 3割負担 | |
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初診(感染症採血含む) | 700円前後 | 2,000円前後 |
大腸内視鏡検査のみ | 2,500円前後 | 7,500円前後 |
大腸内視鏡検査+組織検査 | 3,000~5,000円 | 10,000~16,000円※1 |
大腸内視鏡検査+ポリープ切除 | 7,500~10,000円 | 22,000~30,000円※2 |
※1 病理検査をした部位の数により費用が変わります。
※2 ポリープ切除をした部位の数により費用が変わります。