日帰り手術について
当院では、その日のうちに帰宅できる痔の日帰り手術を行っております。
日帰りでの手術には多くのメリットがある一方で、痔の手術においては術後の痛みや出血がご心配になるのではないでしょうか。痛みについては、最近ではさまざまな工夫がなされた新しい手術法で手術を行っているので、術後の痛みがずいぶんと緩和されています。また、出血についても、ジオン注射を併用することなどで、出血のリスクを軽減することができます。
お悩みの方は、まず一度ご相談ください。
日帰り手術のメリット
- 手術を受けたその日のうちに帰宅できるので、日常生活への支障が少なく済みます。
- 入院のわずらわしさを感じることなく、術後は慣れ親しんだ自宅で療養できます。
- 入院費用が不要なのはもちろん、手術も含めた全ての費用に健康保険が適用されるので、自己負担が少なく済みます。
当院の特徴
痔の手術で使われる麻酔は一般的に腰椎麻酔が多いのですが、当院では静脈麻酔と局所麻酔をバランスよく併用しながら行うので、患者様が眠っている間に手術が終了します。そのため、手術中に痛みや不安を感じる心配はありません。
そして、手術は20分ほどで終了します。術後は、静脈麻酔の効果をしっかりと覚ますために、30分~1時間ほど当院で安静にしていただいてからご帰宅ということになります。
当院での痔の日帰り手術には基本的に健康保険が適用されるので、手術の費用負担は1割負担の方で1万円ほど、3割負担の方で2~3万円ほどになります。また、病状などによっては入院手術が必要と判断される方もいらっしゃいますが、その際には院長が以前勤めていた大腸肛門病の専門施設をご紹介することで対応いたします。
さらに、内痔核(いぼ痔)の治療にあたって、当院では注射による治療(ジオン注射)を行うこともできますので、あわせてご相談ください。
切らない痔の手術ジオン注射
注射のみで痔核が消退!
イボ状の痔核が肛門の内側にできるいぼ痔のことを「内痔核」といいます。内痔核は病状が進行すると、やがて排便時に痔核が肛門から外側へと飛び出す「脱肛」を起こすようになります。この段階になると、今までなら確実に治すには手術が必要と考えられてきました。
しかし、比較的最近、注射するだけで手術とほぼ同等の治療効果が得られる方法が現れました。それが「ALTA/ALuminum potassium sulfate hydrate Tannic Acid(ジオン注)」という薬剤を痔核に注射する「ALTA療法(内痔核硬化療法)」です。脱肛した痔核にこの薬剤を注射することで、痔核に流れ込む血液の量が減少し、数週間ほどで痔核が硬く、そして小さくなっていき、最終的には脱肛や出血がなくなるというものです。
ただし、この療法は1つの痔核ごとに、決められた4ヶ所へ決められた順で決められた量だけ正確に注射する「四段階注射法」という特別な技術と経験を要する方法で行う必要があります。そのため、この「四段階注射法」の講習を受けて資格を得た医師だけが、この療法を行えることになっています。
ALTA療法の長所と短所
この治療法は手術のように切ることなく治療できるので、痛みや出血がほとんどなく、身体的・精神的な負担が軽減されることは大きな長所といえます。加えて、ジオン注の注射自体にも痛みや出血はほとんどありません。したがって、手術よりも早く普段通りの日常生活へと復帰することができるでしょう。さらに、この治療法なら手術を受けることに対するリスクが高いご高齢の方などでも受けることができるというのも長所の1つといえるでしょう。
一方で、いぼ痔の中でも内痔核にしか効果がないという適応範囲の狭さは短所ともとらえられます。また、臨床試験においては、注射後に発熱、血圧低下、肛門部の痛みや重たい感覚、排便がしづらいなどの副作用が報告された他、1年後の再発率が約16%と比較的高めでした。逆に、通常の手術で治療した場合の再発率は約3%とたいへん低く抑えられています。
当院では手術の方も日帰りで対応することができるので、こうした長所と短所を踏まえつつ、医師と相談しながら、ご自分にとって最適な治療法を選択しましょう。
手術費用
1割負担の場合 | 3割負担の場合 | |
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初診(術前検査代を含む) | 3000円前後 | 6000円前後 |
痔手術 | 10000円~12000円 | 20000円~30000円 ※1 |
ジオン注射 | 5000円〜7000円 | 15000円~20000円 |
※1 病気の種類・手術方法によって手術の費用が変わります。